スポーツ・カレー・ミュージック

備忘録。間違え、ご意見、ご感想等はツイッターアカウント @ippyiwa まで

ラグビーワールドカップ:南アフリカ戦雑観

ラグビー日本代表が南アフリカに勝ちましたね。

世界ランキング13位と3位。サッカーとかならまぁ間違いが起こりかねない順位差ですが、ラグビーって番狂わせが本当に起こらないんですよ。カーストみたいなのがあって、同一カーストないでの勝ち負けはあっても下が上に勝つ、なんてのは本当ありえないというのが定説でした。

 

www.youtube.com

 

スクラム、モールの圧力、ラックの激しさ、ディフェンスの出足、オフロードのうまさ、パントキックの正確さ。どれを取っても全力で勝ちにきていた優勝候補の一角、南アフリカそのものでした。本当よくこれに勝ったな、と。それしか言えません。

細かい事や正確な分析は専門家に任せるとして、個人的に大きかったプレーをいくつか挙げていこうかと思います。

 

まずは入り。一度ターンオーバーされたものの、開始5分までにターンオーバーをすること三回。ここで失点せず、五郎丸の突破からペナルティを獲得し、先制した事のは大きかったかと思います。とりわけFWが張り合えると選手が思えた事、向こうに思わせられたんじゃないでしょうか。

 

次に思ったのはダブルタックルの徹底とタックル一つ一つの精度。

体格ではどうしても劣る日本。しっかり止めるには一人を二人で止めるという事を選択するようになります。けど、なまじこれをやると人が足りなくなり、バックスに展開されるとビッグゲインを切られる、なんて事になりがちなんですが、ビッグゲインを切られることなく、80分止め続けたフィットネスは凄まじかったです。後半20分くらいまで明らかなミスタックルがない、というのはどれだけ集中して技術の高いタックルができていたか、という事の証左他ならないように思います。

 

前項に派生して思うのはFWの強化ですね。伝統的にFWが強い南アフリカを相手にモールで一本、判定まで持ち込んだものが二本。最後の最後もあわやスクラムトライを取ろうとせんがばかりの猛プッシュ。本当に強くなりました。

ジョン・プライヤー ストレングス&コンディショニングコーディネーターと元フランス代表のマルク・ダルマゾ スクラムコーチのセンチ、ミリ単位でのノウハウと選手の想像を絶する努力の賜物ですね。弱点だと思っていたものが、弱点ではなくなる。それどころがストロングポイントにすら思えるようになるとは。。。

78分すぎに南アフリカのシンビンを誘いますが、あれは80分世界最高クラスのFW陣を苦しめたが故に起こったものだと思いますし、FW始め、出場選手のフィールドプレーへの最高のご褒美だったのもかもしれませんね。

 

あとはやっぱりBK陣も大きくなりましたよね。

181cm90kgの山田、181cm94kgの立川、181cm92kgの田村、184cm90kgの藤田、そして188cm99kgの五郎丸。スポーツはどうしても先天的人種による体格の差というものを痛感することが多いのですが、マレ・サウやヘスケス、松島と勝るとも劣らない選手が増えてきたなぁと。

海外の選手とやるとどうしても外に回せば回すほどミスマッチが生まれたりして、そこからゲインを切られ、ディフェンスが後手に後手になり失点・・・というパターンを嫌というほど見ていたのですが、これだけサイズのあるBKが増えたのなら誰がどこで出てもこの悪循環もそうそう見なくて済むのかもしれませんね。

 

最後に書き記しておきたいのはリーチ・マイケル主将の決断です。

71分すぎ、29-29と同点の場面で日本がゴール前にペナルティを犯しました。フィジカルでゴリゴリ来られたらトライを取られていたかもしれない(ミスをしたかもしれない)場面。南アフリカは(あれはマックフィールドだったのかな?)PGで3点を取り、逃げ切ろうとしましたね。

ブーイングが起こりましたが、結果の求められるW杯では間違った選択ではないですよね。自分があの立場でもキックを選んでいたように思えます。そのPGが決まって32-29と南アフリカはリードをします。

 

その南アフリカ3点で迎えた79分すぎ。南アフリカスクラムでペナルティを犯します。時間的にもラストワンプレー。さほど難しくない位置だったので、あそこでPGを狙うという選択もできました。3点差ですらアメイジング、同点でも奇跡。自分はそう思っていました。なので自分がリーチ・マイケル主将の立場ならPGを選んでいたかもしれません。

しかし、リーチ・マイケル主将は毅然とスクラムを選びます。もし失敗してたら「なんで確実に同点を狙わなかったんだ」。そういう人が絶対出てきたと思うんです。そういったプレッシャーもあるだろうし、80分走り続け、足もつっていただろうあの状況で勝利を目指し、スクラムを選択。展開後も左右真ん中。あらゆるエリアでボールを持ち、相手のFWに突進し、モールの起点を作り続けたリーチ・マイケル選手の姿は本当に陳腐な表現ですが、「サムライ」感がありました。

これまた陳腐ですが、感動ってこういうことなのかな、と。

 

しかしまぁまだワールドカップは始まったばかり。

予選だけでまだ3試合あります。Japan wayまだまだ進化できるはず。本当楽しみなチームになりました。2019年につながる道を一歩でも二歩でも前に進んできてほしいです。