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2020年読んだ結果おススメする本

 

2020年ももう終わりが見えてきたというのに、どうにもいつもの年末感がないのはなんでなんでしょうかね。そんなにぱーっとやるタイプでもないんですが、まぁ例年なら日本シリーズが終わったくらいに野球総括会という野球を愛する仲間を10人くらい集めて終電まで飲んで~というのを皮切りに色々なコミュニティの飲み会に参加してたりして~なんてのが年末のテンポだったからなのかもしれません。まぁそんなことどうでもいいや。

せっかくなので(気が向いたので)2020年に読んだ面白かった本を記録しておくことにします。年末年始に読書しようかな、みたいな人の参考になればこれ幸いです。

 

1.国際スポーツイベント 成功の舞台裏

本来ならば今年開催だった東京オリンピック。延期したはいいけど、やれるのか半信半疑なところはありつつ、この大会への参加を目指してきたアスリートの気持ちを思うと「中止でいいよね」とも簡単には言えず、、、というスタンスなんですが、その辺の心情的なところはともかくとして、人やお金の動き等々からこういう大会を考えるためにはこれくらいの事は抑えておかないとダメなんだろうなぁという感じ。
著者が2002年のサッカーワールドカップ、2007年の大阪世界陸上、そして昨年のラグビーワールドカップの裏側に立ち会っているので競技ごとによって微妙に異なるお金や人の動きの違いというのを説明してくれているのでスポーツビジネスというのを語る上では抑えておきたい一冊なんじゃなかろうかと。

 

国際スポーツイベント 成功の舞台裏 数々の国際スポーツイベントを成功に導いたノウハウとは
2.感染症 増補版-広がり方と防ぎ方 
 
 

 

2.感染症 増補版-広がり方と防ぎ方

今年は嫌でも勉強させられたのがこのテーマなんじゃないでしょうかね。
増補版とあるのは新型コロナウイルスの箇所で、書かれているのは感染症概論という感じ。まるでウイルスが意思を持っているかのような言い方をする人と出くわしたりすることがあったりするんだけど、そんな変幻自在なものでもなくて、パターンとしてはとてもシンプルというかわかりやすいのがウイルスというもので、シンプルながらも盲点というか人間の嫌なところ衝いてくるのが嫌らしいんだよなぁっていう。色々な情報が出てくる今だからこそ基本のキくらいは抑えておかないと無駄に疲れるだけだろうし、そういった意味ではこの本はそれを知るには最適なんじゃないかなぁ。

 

感染症 増補版 広がり方と防ぎ方 (中公新書)
 

 

3.世界全史~「35の鍵」で身につく一生モノの歴史力~

これは緊急事態宣言の時に読んだ本だったはず。
「よーし!世界史勉強しちゃうぞ~!」って人がこれを読んでも面白いのか、、、っていうか理解できるのか不明。ただ世界史を一通り習ってた人、知ってる人からすれば「これとそれ繋がるんだ~!」みたいな今までと違う視野から世界史を見ることができて、深くというか多角的に歴史の流れとか事件を見られるようになれるんじゃないかなぁ。という意味で受験生が勉強の休み時間に読むのも有りかもね(責任は取らないよ)
世界史に自信あるぜ!みたいな人に面白いかは知りませんけど(笑)

 

 

4.詰むや、詰まざるや-森・西武 vs 野村・ヤクルトの2年間-

最近(っていうかこの二年)の日本シリーズが本当に詰まらなくて「今までやってきたことをやるだけです!」とか言って成す術もなく敗退してるジャイアンツを見ると日本シリーズの冒涜だよな、っていう気さえしてしまうんだけど、それって多分この本みたいな日本シリーズの駆け引き的な話を今までさんざん読んできたからなんだろうな、という感じ。
黄金期西武は何故に強かったか、そして90年代のヤクルトが強くなった理由、そして野村野球とはみたいなところが全部詰まっているような気がする。92年と93年の日本シリーズはワンセットで史上最高の日本シリーズなんだよなぁ、、、と思わざるを得ないくらい本当によくできた話というか「事実は小説より奇なり」ってのを感じさせます。野球好きは必読。

 

 

 

5.グラフのウソを見破る技術――マイアミ大学ビジュアル・ジャーナリズム講座

人の拠るかなぁとは正直思う。「目から鱗でした!!」みたいな人がいたら、正直ちょっと引くかもしれない。というくらいに疑い深いというか「どんなグラフ出せても自分が腹落ちしない限り納得なんてしないぞ!!」みたいなクソめんどくさいメンタリティの持ち主である自分には「だよね~」ってことが多かったかなという感じはする。
ただ「グラフのウソを見破る」までいかないまでも、疑ってみるのって意識付けと解析の仕方の引き出し次第のところは大きいと思うのでそういうノウハウを得るんだ、くらいの軽い気持ちで読むといいかもしれない。

 

 

 

7.「バカ」の研究

割と刺激的なタイトルなんだけど、Psychologie de la connerieだからまぁ「バカの心理学」くらいが適切なんだろうなぁ。ここで言うバカってのは勉強ができる、知識の多寡で決まる絶対的なステータス的なものではなくて、カーネマンの言うところのシステム1というか無意識、あるいはバイアスといったところに対する鈍感さといった部分のことで誰もが「バカ」な状態になり得るというのを心理学的アプローチでまじめに論じてるんだけど、自戒するためにもタメになるし、到底理解しえぬ行動、考え、思考等が可視化されるようになった今理解しえぬもののメカニズムを理解できるようになるってだけで有用な本だと思う。

 

 

8.アスリートの科学-能力を極限まで引き出す秘密

自分が小中学生の頃はスマホはおろか携帯すらあまり普及してなかったし、YouTubeなんてものもなかったし、Suicaパスネットですけど!!みたいな世界だったことを思うと本当にテクノロジーやサイエンスってのは発展してて、当然スポーツの世界もその影響がないわけがないんだよねぇ。やる気が!根性が!みたいな精神論を全て否定もせんけど、知と熱の両輪ちゃんと回さないと結果は出せなくなって来てるんだろうなぁ。プレーヤーとかよりも指導者とかコーチングに関わる人がちゃんと読むべき1冊。

 

 

 

9.すぐわかるラグビールールレフリング・プレー・観戦の基本

出たばっかりなんだけど、すぐ買ってすぐ読んでしまったw
これ何がいいって矢野修平さんという現役の国際A級レフリーが「実際のプレーで起こりそうな動きやフォームを写真と文字でちゃんと説明してるところ」だと思う。いわゆるラグビー詳しい人ってこの辺の動きのパターンを(観戦した試合数重ねることで)認識して脳内に貯蓄したものを実際起こったプレーに当てはめて良い悪いだなんだかんだ言ってるだけなんだと思うので、とりあえずこれで基本的なレフリングの視点を学ぶのがラグビーを深く楽しむための最短ルートじゃないかなと思う。

 

 

 

こうしてみると割とスポーツに偏ってしまったなぁと思うんだけど、この分野なら突っ込まれてもなんとかなるしね、みたいな甘えがあったことも否めなかったりもする。(身近にド専門の人多すぎるのも怖いんですよ、色々)

ちなみに冊数に深い意味はなくて、何冊でもよかったんだけど野球のスタメンの人数に合わせただけです。